「固定観念」 というものがある。 いわゆる、考え方がひとつの枠の中に閉じ込められた状態である。こういったものが、組織の中に蔓延するといい方向には進まない。
例えば、あるグループが一人の人間を都合の悪い人間として、その人がミスをした際に有無を言わせず、必要以上に責めて宣伝する、グループ全員でである。そうなると、その勢いを恐れて誰も本当の事を言わなくなる。当然、その組織は、見かけ倒しになり硬直化する。これは、双方にとって不幸である。
人間は、誰一人いつも同じ状態では居られない。したがって、ミスをしない人は誰一人いない。 しない、としているような人は、まわりも手伝って、それを巧妙にもみ消しているにすぎない。
この固定観念は、こと、演劇に関しても邪魔である。皆、違っていていいのであり、何が正解で間違いかと言うこともない。 特に舞台演劇では、新鮮な気持ちでやれば毎回、その演技は変わってくる。 自由に、一生懸命、稽古をしていれば演出家がその方向を、示してくれるだろう。そうして、気がつけば出来上がっていたというものだと思う。
世の中には、無数の心が傷ついた人がいる。 そういう、人たちに癒しの手を差し伸べなければならない。その誠実さによって、実は、自分自身が癒やされ、蘇生していくのではないかとも思う。
必要なのは、抜け目のない利口さより、優しさや思いやり。そして、「固定観念」というものが、我々人類の歴史上、一番恐れる「戦争」への近道、ということも忘れないでほしい。 トモ
【お知らせ】
2021年6月17日&20日
舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」(東京都豊島区)にて上演する「パリテ」の予告編を、下記URLにてご視聴頂けます。↓