下北沢デビュー

例年、中野の「ポケット」で上演していた5月公演。今年は、半径500mのエリアになんと10の劇場やホールがひしめいている「演劇の街」下北沢所在、1984年開館の「駅前劇場」での上演になりました。いよいよ、下北沢デビューです!

公演に先立ち、友人達に出状した案内にも、「今年は演劇のメッカ、下北沢での公演です。」と、少し自慢気にしたためたりして…

数多の演劇人の、夢や汗が染み込んでいるであろう歴史ある舞台。お客様の息づかいさえ聞こえてきそうなほど客席との距離が近い中で、A・B両チームが、交互に語り!踊り!歌った!今年の公演が終演しました。

今回の「喝采は星の彼方に」は劇中劇の群像劇。日頃の稽古場を再現しているような、ある意味ノンフィクション的なフィクション。構成台本をベースにアドリブを積み重ねて、座員達が個々に実感している、老い・ハンディ・人間関係等の人生経験を踏まえつつ創り上げた舞台。スポットライトの中で、皆のびのびと思いを表現したのではと感じています。

勿論達成感はありますが、我がAチームの演技を客観的に観るには、DVDの完成を待つしか、今のところ手はありません。そんななか、直接私が観劇出来た大千秋楽のBチームのそれには、「どっこい俺らは前を向く!」と、聞こえてきそうなシニアのパワーと息吹きが溢れていたのです。

公演を終える都度、舞台は総合芸術だと実感します。今回も作演出のエマさんを始め、作曲・振り付けの講師の方や、舞台監督・小道具製作・照明・音響・制作・票券・宣伝美術のスタッフの皆さんには、心からの感謝しかありません。

さぁ、また来年、一回り成長した姿で、この場に立ちたいとの意を強くしつつ、正直ホッと一息ついてる朝です。

                   アベ

小さな演出助手?

自身の演技を客観的に観ることは難しく、エマさんのダメ出しを書き留めきれないことも正直あります。よくエマさんから、「こっちから見て」の声が飛び、客席側で、その模範演技を目の当たりにしても、非力な私は勘所を素早く覚えきれなかったりして…

そんな中、「雨の日は嫌いです」のインプロで〝ゴロロ〟を演じる稽古をした頃からでしょうか、稽古場に小さな演出助手?がやって来ました。そう、それは動画です。以前からエマさんも、〝これは〟というシーンを撮影してくれていましたが、演出をしつつ稽古全体を収めることは無理でした。

帰宅後、改めて動画を見直すと、台詞にリアリティーはあるか・出はけ時の動きは袖の中まで意識しているか・台詞のない時も役として板にいるか・ビリヤードのごとく相手に呼応した動きになっているか・自分の癖・エマさんからの指摘の意味…etc.を、レンズが捉えた映像が伝えてくれて、週一回の間隔の稽古で、従来は〝♪三歩進んで二歩下がる~♪〟状態だったものが〝♪三歩進んで一歩も下がらない~♪〟に近づければ幸いと常々思うのです。

両チームが動画をアップすることは、各々の動きを確認出来て、ダブルキャスト制を敷くかんじゅく座の理に叶います。加えて、普段交流が難しい両チームの絆を深める一助にもなります。小さいけれど凄いぞカメラ!

と、持ち上げておいて何ですが、〝気持ちを作り真剣に稽古に向き合うこと〟に勝るものではなく、動画は副読本の位置付けで、頼りすぎないように自身を戒め稽古に臨んでいます。

アベ