そう言えば昔ラジオで、「音の風景」という番組があったような? 鳥のさえずり・行き交う靴音・カラスの声や鉄路の響き、そして音楽。色々な「音」から夜明けや夕暮れ、都会や里山のイメージを膨らませたな。と、そんなことを思いつつ・・・
11月18日のスタッフ講座「音響」にて、音響の専門家越川徹郎氏の講義を聴講。同氏は同分野の教鞭を執り、来年の全国シニア演劇大会でもお世話になる方。
講義は、作品の立ち上がりから完成に至るまでの「音」の作り込みの過程や収録の苦労、そして本番で果たす役割まで、その難しさや重要性が理解出来る非常に興味深いものでした。
さて、印象に残ったエピソードをいくつか・・・
◼️音が表現するもの◼️
音のデザインのポイントは、「音でいかに分かりやすく場所・時間・時代という背景を表現するか」であり、そこに込めるのは、「感情・感覚・背景・性格・合図」である。
(私の心の声↓)
【実際に流されたサンプル音を聴き、これほど浮かぶ情景に差が出るんだ!】
◼️音の仕掛け◼️
音に関連性を持たせる工夫を施す。それは毎回ではないものの、例えば結末への伏線となるような場面に、エピローグでの音楽をアレンジして流すなど音の連鎖を仕込み、結末に向けた盛り上がりを演出する。
(私の心の声↓)
【なんと!!この工夫にちゃんと気付く観客の方が居ると聞き、その感性の鋭さにビックリ。よし、今後観劇する際の楽しみ方に加えよう。】
◼️音を活かす◼️
演者は、音や音楽に乗ると演技の幅も広がるので上手く利用すべき。但し、乗り過ぎると演者の個性が死ぬので、さじ加減が大切。
◼️短時間でデザインを構築するコツ◼️
経験の積み重ねの賜物。初見の台本に触れた際、台詞に細かく目を通すより、場面展開を大局的に捉え、全体像を把握する「想像力」が重要。
(私の心の声↓)
【今まで台詞の記憶にのみ、必死になっていたのでは!?】
◼️音響に掛ける思い◼️
思いを持って構築して仕掛けたことが出来た時の喜びを拠り所に、とにかく良い物を作りたいの一心。本当に演劇を愛していないと出来ない仕事。…etc.
講話を通して、演者として台本への向き合い方の示唆を受けるとともに、舞台で我々が纏う「音」や「光」とより融け合って、演技の幅を広げたいとの思いを抱き・・・