配役が決まって…

かんじゅく座2年目のフミコです。昨年はいくつかの役をやらせていただきましたが、今年は、〝宮島侑子、徹の妻〟。実は私の長男の名前もとおる(透)なんです。ちょっと複雑です。

そして侑子は、啓子という娘を持つ母親。でも私には娘はいない。さあ、想像しよう!娘とのエピソード。里帰り出産したのかな、孫のオムツも替えたのかな?

しかし、娘や孫を演じるのは皆劇団の先輩たち。大丈夫かな、私が先輩方より年上に見える?なんて心配して洗面台の鏡を見ながら、ああでもないこうでもないと髪形やメイクを変えたり、スマホで自撮りして…気がついた!!きっとマスクのせいだ(>.<) 私、家では喋らないし、無意識に口元を動かさない生活をしてたかも。そしていつのまにか…法令線が深く長くなり、もうちっとも若く見えない。自分は若く見える方だと思っていたのに(>_<)でも、これなら私は充分〝宮島侑子〟!と納得すればいいのに、シワ改善美容液なんかをネット通販で注文したり、頬を膨らませて顔の体操をしたり(役作りと逆行してる)、今さら何やってんだか。

かんじゅく座の創作劇は、役のキャラクター設定をある程度その役者に任される。役の年齢を自分より幾つか上に設定してみる。得意料理は何か、好きな食べ物は?よく見るテレビ番組は?そして、自宅での居場所はダイニングテーブル。家の外での人間関係もあるだろう。

毎回公演準備で思うけど、この歳になってもまだまだ世の中の知らない事を知れる、発見出来るのも演劇の良い所かな。同じシ-ンで共演する役者で、私がグループLINEを開設した。後から決まった役者を招待することも出来た!やったことないけど…とドキドキしながらだったけど。スマホを使いこなしてる感、ちょっと嬉しい。

さあ!稽古はまだまだこれからです。私は侑子です。家族のこれからのことを考えます。
フミコ

表現模索の旅の途中

新たな演目に向けた稽古は、エマさんから、「今回、台本は皆さんの即興で作っていきます。シーン構成を元に、どんどん取材を進めてください。」との言もあり、その趣旨に沿って作り込みが続いている。

この稽古に臨んで、私はこう思う。今回は具材(相関図・配役・シーンイメージ)が用意されたキッチンを前に、自らレシピを考案することを任されたシェフのようだと!

予め決められた台詞に縛られることなく、想像力を発揮して、具材の特徴をまず吟味。そして、その具材に適した調味料となるであろうバックグラウンド(役の個性・相手との関係性・吐き出す言葉の持つ意味と目的・各シーンの場所の想定…etc.)を熟慮しつつ、ある意味自由にストーリーの創作に関われていることを実感。壁は高いが楽しさを覚える。

今回稽古をしていて、ふと思い出すのは、一昨年暮れの絹川先生の〝インプロ〟と、即興劇に近かった〝ゴロロ〟登場の〝雨の日は嫌いです〟だ。

当時の稽古場日誌(2021年12月)を紐解くと、 「インプロワークショップに参加して」の表題で、小春ちゃんが、〝芝居に必要なエッセンス〟だと感じたこととして、「① 決められたスジやセリフがないので、まず相手のいうことをよく聞く。② それに柔軟に対応する。③ アイコンタクトや体のちょっとした動きも表現を助ける。④ 思いがけない状況になっても否定的にならず、その場を拾い上げて前に進める。…etc.」

そして、「『のぼるとゴロロ』の出会い」の表題で、アキさんが、「ゴロロは何を表現すればいいのか、のぼるの何を理解すればいいのか『そうだ身も心もゴロロにならなければ。』」

と、各々述べている点に、私も改めていたく共感。台本というレシピがない今だからこそ、経験出来る貴重な時間。書籍や過去の実体験から、即興の世界でも発揮出来るリアリティーある表現模索の旅の途中ってな感じかな!今。

アベ