稽古場日誌「あたらしい仲間」

今年度に入って3人の仲間が入団してくれました。女性お二人、男性お一人です。いつも、芝居はひとり出演者が変わったら、芝居全体が変わると思って配役しているのですが、座員も同じで、ひとりメンバーが加われば、劇団の決まり事や常識も変わることがあると思うようにしています。

以前「稽古場に自力で来られること」というのを、入団条件にしていましたが、何年も活動するうちに、体力も認知力も覚束なくなってしまった方がいました。帰りの電車を間違えてしまったり、出番を忘れてしまったり、本番中に全く違う衣装を着てしまったこともありました。もう難しいかな。。。と思ったのですが、稽古で台本を開けばキラキラとした目でセリフを語り、「お芝居大好きなんです」とおっしゃるので、そこから家族のサポートで一年近く通われました。稽古場でサポートすることが大変なこともありましたが、続けたいという気持ちでここまでできるのかと、もう存在自体が希望の塊でした。結局、送り迎えなさっていた家族の体調不良で、継続不可能になってしまったのですが、いろいろと模索すれば、やりたい気持ちは継続できるんですね〜!

今年度の新人さんは、まだ個性もよくわかっていませんが、個性を伸ばし、老いを武器にし、心身良く動かして、いい作品をつくっていきたいです。

出前公演の稽古に入りました

毎年恒例の出前公演。今年は「戦争」をテーマに作品を創っていきます。

舞台の上に想像する非日常のなかでも、想像が難しい分野に挑戦することになり、役の心境や関係性の逆転など丁寧に探っているところです。高齢者劇団とはいっても、戦争や空襲を体験した記憶のある人はいません。みんなが経験ないことを、調べたり、読んだりしながら追いかけていく作業です。集中して、当時の様子を再現し、当時の人に思いを寄せる努力を続けていきたいです。

そんな私たちの作業を邪魔するのは「セリフおぼえる」という作業。気持ちを集中したいのに「あれ、なんだっけ?」「次のセリフが出てこない」という呪縛!!それで、いま試しているのは「シャドウ(影)」という方法。役の後ろに立っている影武者が、セリフを教えてくれるので、役者はシーンに集中できます。これ、私が以前体験した方法で、すごくよかったので、かんじゅく座でも試してみています。

しかし、ここでまさかのハードルが!!

難聴です。

シャドウは小さな声で耳元でセリフを教えてくれるのですが「え?」という聞き直しの多いこと・・・・なかなか流れをつくるのが難しいのです。まいったまいった💦