私は、現役時代に金融機関で、法人取引の新規開拓に従事していました。
顧客を前にして、噛まずにプレゼンを展開出来ればそれだけで、充足感を得ていた気がします。
時を経て、某社の総務に出向し攻守ところを変えて、各金融機関の勧誘を受ける立場に立つと、どうでしょう!相手のセールストークの巧拙に関わらず、当方の心の琴線に触れるものと、触れないものに、明確に二分されることに気付きました。
つまり、舞台に置き換えれば演者vs観客・観客vs演者的な両方の目線を、思いがけず現役時代の実務を通して経験したのです。
さて、かんじゅく座ですが、実はそれと同様の経験を、居ながらにして積むことが可能です。
それは何故か?・・・・・
答えは、2つのチームで同一演目の稽古を、ダブルキャストで並行的に重ねているからです!
演者として、本読みや稽古の際のダメ出しを拠り所に、作品全体や行間、そして役の心情を深掘りして理解したつもりで演じていても、それが観客の目線にどのように映っているのかを、感覚で計り知るのは至難の技…
ゆえに相互のチームの稽古を見学することが可能な我々は、良い意味で「人のふり見て我がふり直せ!」の例えのとおり、演者と観客の攻守ところを変えることで、ダブルキャストの演者達の、台詞回し・表情・所作等から多くを学び、自身の演技の糧に出来る訳です。