演劇の力

 「あの日のトンネル」は、かんじゅく座に入り初舞台でした。本番までは、稽古稽古の日々でした。

 カーテンコールの時に、お客様がハンカチで目をぬぐう姿が見られました。くすっと笑いが起きたり、涙を流されたり、気持ちが揺さぶられること。それをその場で受け取り感じること。これこそが、生の舞台の醍醐味ですね。演じていても、ラストの歌では私も自然に涙が流れていました。

 5月27日みかん組の舞台を観てくれた35歳女性に、翌週感想を聞きました。仕事がとても忙しい真っただ中にこの舞台を観て、「特にジンときたセリフが、今の自分にあてはまる酒匂先生が卒業式に話した次の言葉。」だったそうです。

 「悲しいとき、辛いときは、その思いを書き留めてください。しっかりと文字に書くことで、自分の心と向き合って、今何をすればいいのか、正しい判断ができるようになると思います。」

 私は軽く受け止めていましたが、観る人それぞれに感動する場面は違うものなのだと感じました。

 加えて、「ストーリーを追っていって現在と過去が行き来して最後はどうなるんだろう?と思いながら観て、とても面白い話だった。構成も手前で話をして、すぐにストーリーに入っていったりとても良かった。」との感想をいただきました。

 芝居で人に感動してもらえることは、稽古稽古で大変だった日々が報われるご褒美なのだと感じました。
           葉月

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