ありがとさんさん子供達

 毎年恒例の出前公演が、12月16日に都内の児童館でスタート。今回の観客は16名の小学生。

 古稀が間近な私の記憶に、低学年で観劇した着ぐるみの劇団〝木馬座〟に、心が踊ったあの日が残る。それと同じく今日この時間が、心柔らかな子供達の未来まで、残れば良いなとの思いで舞台に立った。

 舞台は最上階の体育館。ガラス貼りの壁面越しに、初冬の優しい陽射し。あたかもオレンジ色のスポットライトのように我々を照らし、セットの木の葉も浮き上がらせて。

 開演すると、舞台に見入る子供達。〝土居くん〟のアクションに笑い、音楽の生演奏に拍手。そして、怖い〝かしら〟の動きには固唾を呑んで静まり返り…幼心の機微がストレートに舞台に届き、私達は嬉しさに包まれた。

 日暮れて終演。子供達と演者の「バイバイ」「有り難う」「楽しかった」の声と笑顔が飛び交って、体育館には温もりが満ち満ちた。

 〝正直であること〟〝見た目だけで人を判断しないこと〟〝仲良くすること〟の大切さを伝えたかった私達。子供達が何かを汲み取ってくれればとの思いもあるが…それよりなにより、「飛び出す絵本を見たように楽しかった!」と、思って貰えるだけで充分。素敵な時間を共有出来た、そんな一日。            アベ

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