その先の場所 

 「ホーホケキョ♪︎」2年前迄は、毎日のように鳴いていてくれた、同じ個体なのかは?知る術も無いけれど、澱んだ空気を一瞬にして浄化してくれるようなそのさえずりに(戻って来てくれて有り難う)そう勝手に決め込んでは、語りかけずにはいられない。

 入団2年目経過を間近に控えての「パリテ!」では、私はウグイスチ―ムの一員だ。

 介護突入で仕事を辞め、その1年半後に姉が逝ってから数ヶ月経った頃に「かんじゅく座」を知り、余りにも不規則な勤務体制との両立は、出来得ないと判って、職場復帰の選択肢は外すことにした。

 け・れ・ど!もしかしたら?やりたかった事と、出来るかも知れない事は、全然違うのではないか、そう思い知らされる日々が待っていたのだった。

 砂粒を手に取るが如く、一つ一つ拾い上げてみても、すぐに溢れ落ちては又同じ事を繰り返す・・途方にくれ何度立ち尽くしてしまっただろうか。

 紡がれた物語は生命を吹き込まれ、一人ひとりが繋がり合い、限りある空間と時間の中で表現されて行く・・「役を生きる」その事をようやく気付きはじめてはみても、あまりにもおぼろげで、次の一歩は遙か遠くに在るかのようだ・・・。

 姿はみえないけれど、確かに其処に居るあの「鶯」のように、眼に映るものだけが存在をしている訳では無いという事を、私はいつまで憶えていられるだろうか。 

 「愛しい娘、リサ。此れから一所懸命に前を向いて歩いて行ければ、貴女のその泪も、違った色に見えるのかしら?」
           レイ

【お知らせ】
いよいよ今週本番!!
2021年6月17日&20日
舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」(東京都豊島区)にて上演する「パリテ」の予告編を、下記URLにてご視聴頂けます。↓

https://youtu.be/AOLU7wOQxWI

パリテ…構成舞台で!

 いよいよ「パリテ」の本番まで、三週間を切った!

 今回の演目は、私にとって初めてとなる構成舞台である。構成舞台とは、「写実主義等を排し,鉄材や木材を幾何学的に構成することによって,立体性や抽象性を強調した舞台」と物の本にあるが、都度リアルな建物や街並みを配する、見慣れた舞台のそれとは大いに違う。

 ランダムに並ぶ木箱や木枠は、その位置や置き方を縦横に変えることで、その場の空気感を見事に展開して行く大道具。特に木枠に至っては、まるでドラえもんの”どこでもドア”の感もあり。

 現実と回想や、複数の物語が同時進行するシーンなどが、そのシンプルなセットにより、不思議なほどに色付けされていく新鮮味。どう映えるのか、客席から覗いてみたい衝動さえ湧いてくる。

 今回、私達は舞台後方に並ぶ木箱に腰を掛けていることがある。但し、それは静態しているのではなく、生活感のあるオブジェのように動きを伴い、まさに生きる背景だ。意外に難しいぞ!”物言わぬ演者”。どんな居住いで物語を彩るか、その工夫がこれまた楽し。

 さて、この構成舞台と皆の演技が融合したとき、田舎町ののどかな風景や匂い、そしてそこで交錯する感情の揺れがお客様に伝わり、いかに豊かな心象風景を抱いて頂けるものなのか、乞うご期待の作品だ。最後の仕上げに、気は引き締まる。            アベ

【お知らせ】

2021年6月17日&20日
舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」(東京都豊島区)にて上演する「パリテ」の予告編を、下記URLにてご視聴頂けます。↓

https://youtu.be/AOLU7wOQxWI