こんな私の思い込み、合っているのかいないのか……日頃の私達は、先回りして覗くことが叶わぬ岐路に、頻繁に遭遇し都度即興で対応している。そう、人生は「ハプニング」と、奔放でも最後はまとまる “ジャムセッション” みたいな「アドリブ」の連続だ。
では、演劇は?と見直せば、脚本で岐路と未来を覗けるからか、ついつい先読み演技に陥りがち。ついては「時には食い気味・時には間を取る」、アドリブ感のあるやり取りが、演技に幅を持たせるような…そんな気がする。
たとえば、稽古中の「パリテ」でのワンシーン・・・女性達の歓談中、突然聞こえる年長者からの鋭い叱責。そこで間髪入れずに放つ私の台詞が、先読みでなく自然に口を突いたようなそれならば、瞬時に空気を変えるはず。と、それを理解し演じれば、少しはリアリティーが宿るかも。
勿論、楽譜を逸脱して、心の有り様を自由に表現するJAZZのアドリブと、演劇は、単純に重なることはないけれど、通じるものを私は感じる。飛び交い移ろう台詞や情景、軟らか頭で読み解いて、心の閃き表すセンスに磨きをかけたいと願うとき、「あぁ~稽古って大事だよねぇ!」の心の声がこだまする。 アベ
【お知らせ】
2021年6月17日&20日
舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」(東京都豊島区)にて上演する「パリテ」の予告編を、下記URLにてご視聴頂けます。↓