発声講座 川嶋信子先生

 第一回 7月16日(火曜日)
 第二回 8月6日(火曜日)
 発声講座は二回に渡って開催された。講師は薩摩琵琶の「川嶋信子先生」、“語りもの”としての琵琶の魅力を追求して大活躍中の多忙な先生である。
 『祇園精舎のぅ〜おぅ〜鐘のぅ声』琵琶の音とともに先生の艷やかな声が体に伝わってくる。稽古場が一瞬にして篝火が灯る幽玄の世界へと誘われる。
 伝統的な楽器とともに語り、唄われて来た日本語と日常会話の声の違い。日本語では声のトーンの使い分けが行われてきた。
 一方、西洋の声楽はオーケストラの伴奏の中でボリュームを持って上から飛ばす。
 日本の発声は息の上に自然に声を乗せる。口を縦に開けるのではなく喉の奥を開ける。喉を締めないように。柔らかく鼻濁音を使う発声。
 「う〜〜む」頭では必死に理解しようとするが身体がついていかない、自分で自分の身体、喉、声がコントロール出来ない、難しい。
 二回目には復習の後に4人ずつのチームとなり、『祇園精舎』冒頭の一節を“語る”発表会。一人の担当分としてはわずか二行なのに音が取れない、高低差、うねり、節回し、いささかパニックになる。
 前に出たらとにかく何か表現して終わらなければならない。相手を意識し過ぎて身構えるのではなく見物客(観客)に言葉を届けるつもりで。
 発見!一人で演ることとチーム演技との違い。自分でごまかしながらなんとなくできているつもりがチームとなって前の人を受け全体のバランスを取りながらの発表となると、途端に自分の課題が表出してくる。また、チームとして力を合わせる有り難さも体感できた。
 他のチームの発表を鑑賞するのも楽しい経験となった。次々と飛び出すオリジナリティに溢れた『祇園精舎』には、先生も驚きを禁じ得ないご様子だった。
 基礎講座、受ける度課題が積み上がって行くようで気が重い。が、せっかくの先生の素晴らしい講座、自分の課題に気づけたことを前向きに捉え、稽古に励むより他に近道はない。
 川嶋先生、ありがとうございました。
    水曜チーム やっこ

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