演出家の視点に立って

 11月3日“金太郎チーム”の稽古で行われた“演出席体験”を実際に経験した、トモさんとマリリンの感想です。

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 人間は、年を取るごとに自分と似たような人とばかり接しようとするため、自分とは全く違う環境にいる人との関わりは、新たな気づきを与えてくれる。

 まさに、今回の演出経験は、観る側と演じる側と全く別の環境での体験だった。当初、演出とは演技指導が主で、後は、それなりと思っていたが、とんでもない話しで舞台の全体を通して、観る側がどう感じるかであり、はては、小道具の置き方や使い方にまで気を配り、見逃さない。

 これは、役者にも通じる話しだ。私が、初めて劇場の舞台に立った時のこと、メガネを出してノートを見る場面があった。当然、メガネケースから出すはずだったが、私は忘れることを恐れて、初めから服のポケットに仕込んでおいて、そこから直に出して演技を始めた。それを、後から注意されたのを思い出した。            トモ

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 エマさんが「演出をやってみたい人?」と聞いた。私はちょっと躊躇したが・・・そうだそうだ、年間に何本も芝居を観ているし、観劇後によくアンケートも書いたし、おっおーやってみたいと立候補し、MさんとTさんの芝居の組を観ることになった。いつもはエマさんが位置する椅子に、台本と鉛筆を持ち座った。何だかとてもわくわくし緊張したが嬉しかった。

 役者が芝居を始めだして、メモをしようとメモしだすと、その数秒間、芝居を観る方がお留守になってしまうのはよくないし・・・あっあれ~目が四つあったらなぁ・・・と。(演出家は忙しい。だから劇団によっては演出助手をつけている所もあるようだ。)

 「芝居が面白くなるようにアドバイスを。」と言われ、今まで受けた色々なワークショップが頭をよぎったが・・・拙いアドバイスをして、もう一度役者が演じてみると、数パーセントでも、私の言ったことを一生懸命にしているその姿に、私は胸が躍った。

 芝居は男の子二人のやり取りだが、MさんもTさんも台詞のある一瞬は、男の子を演じているという自覚があるように見受けられたが、多分次の台詞を考えている時とか、役としてでなく本人同志のテレがあるような時は、その役に見えなかったように感じた。一瞬に見えた役を持続するには・・・?集中力なのか・・・?役に入るということは、どういうことなのだろうかと考えさせられた。

 人が、私自身の動きたいように演じてくれたら、イメージ通りになったら・・・こんな面白いものはないかもしれない。ところが、人はそう簡単にはうなづいてくれなかったり、反発したり、又逆に自分が思った以上の事を見せてくれたりしたら・・・演出家は大変だが、面白そうである。これから芝居をするにも、常に観客からどう見えるかを考え、役になりきる為にも、もっともっと工夫して演じていかなければと思うとともに、演出というものも勉強したくなった。貴重な良い体験楽しかった!

 添付の写真は、今秋初挑戦した日本画。見直してみてふと思った・・・さしずめ絵画も絵の具が演者で、構図や配色を考える私はある意味演出家?表現するとは演劇・絵画・音楽…etc.どれをとっても、相通ずるものがあるのだなと・・・          マリリン
 
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