歌は良質なスパイス

 歌は、3分間のドラマとも言われますね。私もそれに、異論はありません。

 かんじゅく座の舞台途中で挿入される劇中歌は、たった数分でそれまでの場面を総括するとともに、これからの展開を示唆。かたやエピローグでのそれは、今日の物語の起承転結をなぞるようにしながらフェードアウトし余韻を残すイメージと捉えてます。まぁ、とにかく、構成上欠かせぬ要素であることは間違いありません。舞台の厚みを増すためにも、歌唱の充実にエマさんが力点を置く理由も良く分かります。

 顧みれば、ネコラでの「ここがぼくらの生きる場所」「母の歌」。パリテでの「女は~~」「言葉を信じて」。あの日のトンネルでの「あの日のトンネル」。そのどれもが重要で良質なスパイスとして、観客の琴線に触れていたものと思います。

 物語を彩るこれらの曲は全て、作詞:エマさん、作曲:みながわちかこさんによるオリジナル。詞は勿論のこと各曲のメロディーラインの美しさにも、座員は常々心動かされています。感性が乏しいこの私でさえ、本番でウルッとくることも度々です。

 そんな折、8月19日金曜日は、みながわちかこ先生による歌唱指導。エマさんの目標とするハモリを目指し、課題曲は卒業式でお馴染みだという、杉本竜一氏作詞作曲の二部合唱〝Believe〟

 耳心地の良いメロディーに、歌う楽しさを感じながら臨み、アルトパートにチャレンジ。しかし、結果は主旋律につられ・つられて、理想型には遠く及ばないのです。若き頃肩まであった髪!(今は見るも無残ですが…)を振り乱し、ギターを掻き鳴らして綺麗にハモれていた私はいったいどこへ?・・・そうか!ギターでコードを弾きながら歌っていたから音がとれたんだと、言い訳を口にしそうな自分がそこに。

 あぁ~、絶対音感が欲しいぃぃとあれほど思ったことはなかったのであります。今はもう、指が反抗期で言うことを聞いてくれず、ギターを握る機会もなくなって、その道筋の遠さに、暗澹たる気持ちにはなります。しかし、分かるのです。これを乗り越えるには、地道な反復練習しかないのだと。

 かんじゅく座が、より一層歌って踊って演じられる劇団として成長して行く過程で、私が足を引っ張らないようにする為には……

 シュプレヒコール!!! 〝楽しみながら 精進!精進!するゾ~〟ですね。

           アベ

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