いよいよ「パリテ」の本番まで、三週間を切った!
今回の演目は、私にとって初めてとなる構成舞台である。構成舞台とは、「写実主義等を排し,鉄材や木材を幾何学的に構成することによって,立体性や抽象性を強調した舞台」と物の本にあるが、都度リアルな建物や街並みを配する、見慣れた舞台のそれとは大いに違う。
ランダムに並ぶ木箱や木枠は、その位置や置き方を縦横に変えることで、その場の空気感を見事に展開して行く大道具。特に木枠に至っては、まるでドラえもんの”どこでもドア”の感もあり。
現実と回想や、複数の物語が同時進行するシーンなどが、そのシンプルなセットにより、不思議なほどに色付けされていく新鮮味。どう映えるのか、客席から覗いてみたい衝動さえ湧いてくる。
今回、私達は舞台後方に並ぶ木箱に腰を掛けていることがある。但し、それは静態しているのではなく、生活感のあるオブジェのように動きを伴い、まさに生きる背景だ。意外に難しいぞ!”物言わぬ演者”。どんな居住いで物語を彩るか、その工夫がこれまた楽し。
さて、この構成舞台と皆の演技が融合したとき、田舎町ののどかな風景や匂い、そしてそこで交錯する感情の揺れがお客様に伝わり、いかに豊かな心象風景を抱いて頂けるものなのか、乞うご期待の作品だ。最後の仕上げに、気は引き締まる。 アベ
【お知らせ】
2021年6月17日&20日
舞台芸術交流センター「あうるすぽっと」(東京都豊島区)にて上演する「パリテ」の予告編を、下記URLにてご視聴頂けます。↓