5月26日、足掛け5ヶ月の稽古を経た公演がすべて終了した。
昨年初舞台の際、先輩達から「同じメンバーで公演に臨んだことは一度もない」と言われていた。正にその通り、今年の出演16名中昨年と同じ顔ぶれはわずかに9名、シニア劇団ならではの構成となっていた。
自身の健康状態、家庭の状況、メンバー誰しもが様々な問題を抱え、稽古が遅々として進まない。とにかく座員が揃わないのである。代わる代わる病欠や所用欠席があり、自分の役作りの不安とともに「方舟…」が果たして初日を迎えるところまで到達できるのか、日増しに不安が募る。
そんな中、何と日曜チケット完売のため金曜夜に追加公演敢行が決定、いよいよ後がない。
流石に10連休を前にチームとしての危機感が共有され、数回の自主稽古を実施。あとはとにかく皆でエマさんについて行くのみ。クリアできないダメ出しにも挑戦を続け、何とか最低水準までは到達したい。
小屋入りしても、場あたりでも、ゲネプロでも、なおも続くダメ出し。応えようと懸命なチームの面々。体調が危険水域の座員が複数いる中、よくぞ3回の本番をやり遂げました。水曜チーム万歳(!)チームとしての達成感に浸る。
個人的には反省の山なれど、エマさんの言葉「方向性は間違っていない」「稽古は裏切らない」を頼りに、今の自分として精一杯の表現だった。
当初の2回公演が3回公演となり、昼夜公演のインターバルに「アフタートーク」が入る想定外の日程が続き、日曜3回目公演終了で遂に完了!のはずが、最後に驚きの延長戦が待っていた。
何と火金チーム(方舟マラソンチーム)永子役のマリリンが劇場入りするなり倒れ、起き上がるのも苦しい様子。マリリンの回復を待ちながら待機することとなる。マリリン、しっかり!大丈夫!
開演に先立ちエマさんと共に二人の永子は挨拶に出た。エマさんが、永子役の途中交代もありうることをお客様におことわりした。
しかし、Wキャストと言ってもまるで芝居が違う、出ハケや相手役との掛け合いも異なる。果たして…。
マリリンの強い意志と、チーム全体で絶対にやり遂げるという張り詰めた空気の中、第13回公演の最終回がスタートした。マリリンはハケる度に倒れ込むように椅子に。座員は皆黙々と支え、動き励ます。私も進行に合わせ、着替え、バッグを持ちマリリンに寄り添う。チームを超え、座員全体が一つになって公演完遂に邁進した。
芝居の神様はマリリンに微笑み、マリリンは最高の演技をやり遂げた。
火金チームの最終公演は「かんじゅく座」感動のフィナーレとなった。
水曜チーム(方舟バレーチーム) やっこ(永子役)