「幸せホルモン」のメカニズム

 日頃我々は(少なくとも私は)、本番&稽古に関わらず、演じることで高揚し、「幸せホルモン」に包まれているのは間違いないと思います。

 しかし、幸せホルモンのメカニズムは他にもあると気づかされたのが、7月14日火曜日開催、発酵料理家の麻子先生による特別講座、『腸内環境とセロトニン(幸せホルモン) 脳でなく腸で思考する』でした。内容は、以下のとおりです。

【腸内環境の重要性】

 人間にとっての幸せ物質、セロトニン(やる気・前向きな気持ち・熟睡・イライラ解消を司る神経伝達物質)は、90%が腸で、残りが脳で。腸から脳への伝達は、腸内細菌(微生物)が担う。

 腸内には、100兆もの微生物が存在し、そのバランスは善玉菌30%・悪玉菌10%・日和見菌60%。このバランスの維持が肝要で、各種の菌が共存する多様性が腸には求められている。

 しかし、現代社会においては、行き過ぎた殺菌による善玉菌の減少が「恐怖」を生んで、アトピー・喘息・うつ病の原因になっている。つまり、脳が先回りして「不安」を増大させ、「腸の声」を「脳」が無視し、多くの人がそれに踊らされ、腸内環境の悪化を招いている。

 ゆえに腸内環境の改善は、「幸せホルモン」の増加に寄与し、不安の払拭及び精神的安定に繋がる。

【腸内環境の整え方】

■植物性の繊維を含む食材の摂取(伝統的な日本食の摂取)

■一日一杯の味噌汁の飲用

■カルシュウムを含む硬水の飲用

■良質の油の使用(青魚・シソ油・亜麻油・オリーブ油)

◼️発酵食品の摂取

■市販の揚げ物等の摂取や白砂糖の摂取を避ける……etc.

 特に『納豆』に代表される『発酵食品』の摂取は効果的で、その発酵におけるスーパースターが『麹カビ』。同カビは日本にしか無く国菌であり、100個以上の酵素を生成する。

《麹カビの長所》

◼️酵素を生成するので、人間自身の酵素の節約が図れる

◼️善玉菌の活性に作用する(味噌等、植物性の乳酸菌も同様の効果がある)

◼️食物の毒素を抜く……etc.

【腸内環境のチェック】

排便量のチェックが適している。戦後(400g/1日/1人)に比較すると、現代の排便量は刻々と減少(200g/1日/1人)している。

《減少の原因》

◼️食物繊維の摂取量の著減

◼️腸内洗浄・ウォシュレット等、清潔にし過ぎて善玉減少

◼️悪玉の好物、肉の脂質が堆積している。

◼️食物添加物の増加

◼️抗生物質による善玉減少
……etc.

 講師の締めの一言は、『一日一杯の味噌汁を心掛け、微生物と仲良くなることが、健康への第一歩!』でした。

 座員にとって初耳の事柄も多く、一同興味津々。次から次へハイ!・ハイ!・ハイ!と手が挙がり、「酵素風呂の効果の有無?」「サプリで補完は可能か否か?」「弱い腸の改善策は?」「菜種油の評価は?」「牛乳の飲用効果は?」等々、質問の嵐!!

 いつもとは勝手が違う座学ではあったものの、コロナ禍により、多くの者が漠然とした不安感や、閉塞感を抱いている今の時節に適したテーマ!

 その昔、狩猟民族から農耕民族へ移行する中、食糧も変化して、人間の体内の微生物も変遷して行ったとの導入部から始まり、理路整然と分かりやすい麻子先生の講義。

 この日は皆一様に「腸」を意識し、日常の「食生活」を見直す一日になりました。
          アベ

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