テーマは「いのち」

2023年度のかんじゅく座の公演は「いのち」をテーマにしています。
11月末の出前公演では30分の作品を2本立てで。5月の本公演では、例年と違う環境へ飛び出して少し大きな劇場で公演を行います。
いのちと向き合うシニアの挑戦をどうぞ応援してください。

台本は命です

私は今、「『いのちをいただく』みいちゃんがお肉になる日」の稽古をしている。12月に都内の小学校に行く出前公演のために、みんなの熱がすごい。「将来の演劇の裾野を広げるチャンスだ」という、エマさんの言葉に奮い立ったのだ。

それなのに、今日(2023年10月27日)の稽古に私は構成台本を家に忘れて来た。衣装合わせの日でもあり、荷物が多くて取りに戻れなかったと言いわけしながら猫スタに入った。即興で練習して来て、台詞も自分で考えたものだから大丈夫、と高を括って授業参観のシーンを迎えた。

私は小学校三年生の担任の役で社会の授業をする。色々な仕事をテーマに、生徒たちに順番に両親の仕事について尋ねるのだが、もうボロボロ。普段、口にしないような質問をしてしまい、聞かれた生徒役は目を白黒させている。迷惑をかけてしまい、申し訳ない・・・

原因は、やはり台本が手元に無いことだった、と思う。ほんの数分でも、目で見て、確認してから、舞台に出て行くことが、どんなに大切か、身に沁みた。自分で考えた台詞でも、うろ覚えなのだ。上がってしまえば、尚更だ。構成台本は薄いのだが、これが役者の命綱だったんだ!

家に帰った私は、台本をひしと抱きしめ「今日は、ごめんなさい。お願いだから、これからも私を支えてください」と、平謝りしたのだった。

こおりゃん